2020年規則変更点
バワーユニット
 バワーユニットはエンジン(ICE/Internal Combustion Engine)、MGU-K、MGU-U、エネルギーストア(ES)、ターボチャージャー(TC/Turbo Charger)、コントロールエレクトロニクス(CE/Control Electronics)の6つのエレメントで構成される。

<基本スペック>
・エンジンは往復ピストン運動による4ストロークエンジン(ロータリーエンジンは禁止)で排気量は最大1,600cc、最大毎分回転数は15,000回転
・エンジンのシリンダー数は6。バンク角は90°で、各シリンダーのバルブ数は吸気側2、排気側2
・ターボチャージャーは1基
・燃料の質量流量(単位時間あたりに一定面積を通過する物質の質量)は毎時100キログラム(2基のフューエルフローメーターで監視)
・パワーユニットの最低総重量は145キロ(重心とパーツの重量、サイズ、素材には制約が設けられている)。ESは20キロから25キロで、サバイバルセルに組み込まなければならない

<ERS>
 車から排出されるエネルギーを再利用して発電しバッテリーにたくわえ、そのエネルギーを動力性能に生かそうというのがエネルギー回生システムERS(Energy Recovery System)だ。
 ERSは、エンジンのクランクシャフトに接続されたMGU-K(Motor Generator Units-Kinetic)と、ターボチャージャーに接続されたMGU-H(Motor Generator Units-Heat)から構成される。
 MGU-Kはブレーキングで発生する運動エネルギーを、MGU-Hは排気ガスの熱エネルギーを、それぞれ電気に変えてES(Energy Store)内のバッテリーにたくわえる。このエネルギーによりMGU-Kを通じて動力性能をパワーアップさせる。
 MGU-Kの重量は7キロ未満、MGU-Hの重量は4キロ未満。
 ERSがブレーキングで生み出すパワーを制御するため、電子式リヤブレーキコントロールシステムの使用が認められている。

<吸気温度>
 エンジンプレナム(プレナムエントリーからシリンダーヘッドまでのエアインレットシステムのことで、プレナム<サージタンク>、トランペット、スロットルなどをさす)の空気の温度は外気温より10度を超えて高くなければならない。
  エンジンプレナムの空気の温度は、所定の位置にとりつけられたFIA認定のセンサーによって測定され、ラップごとの平均温度がレースウィークのあらゆる周回において監視される。
 ただし、決勝のファーストラップ、セーフティーカー導入時のラップ、インラップとアウトラップ、トラブル発生時のラップ(テクニカルデレゲートが判断する)は含まれない。
  外気温は、プラクティスの場合は1時間前、決勝の場合は2時間前にFIAが指定した気象会社が記録した温度が提供される。

<ホモロゲーション>
 パワーユニットは毎年2月28日までにホモロゲーションを受けなければならない。改良を行った場合、使用するイベントの14日前までにホモロゲーションを受けなければならない。
 パワーユニットマニュファクチャラーは、過去にホモロゲーションを受けたパワーユニットをカスタマーチームに供給してもよい。

<供給の義務>
 カスタマーチームに対するパワーユニットの供給を保証するため、パワーユニットマニュファクチャラーには供給の義務が課せられた。
 T=(参戦チーム数-A)/(B-C)
 T 最小供給義務チーム数
 A ニューパワーユニットマニュファクチャラーから供給を受けるチーム数
 B パワーユニットマニュファクチャラーの総数
 C ニューパワーユニットマニュファクチャラー*数
 *参戦2シーズン目までのパワーユニットマニュファクチャラーをさす
 カスタマーチームに供給を受けられないおそれが生じた場合、パワーユニット供給チーム数が最小供給義務チーム数に満たないパワーユニットマニュファクチャラーに供給の義務が課せられる。
 該当するパワーユニットマニュファクチャラーが複数存在する場合はくじ引きで決定される。

<ドシエシステム>
 同一のマニュファクチャラーから供給されるパワーユニットは、ワークス、カスタマーを問わず、ドシエ(一式書類)に記載されたものと同じであること、同じソフトウェアが用いられ完全に同じオペレーションができること、同じスペックのオイルと燃料が用いられること、が求められている。
 ただし、ワークスチームとカスタマーチームとでサプライヤーが異なる場合は、この限りではない。

<グリッドペナルティー>
 各ドライバーが1シーズンに使えるパワーユニットエレメントの数は、ドライバーあたり、ICE 3基、MGU-H 3基、TC 3基、ES 2基、CE 2基、MGU-K 2基。6つのエレメントはどんな組み合わせで使ってもよいが、それぞれ規定数を超えるエレメントを使用する場合は、追加エレメントが使用される最初のレースで、次のようなグリッド降格処分を受ける。
・5つ目のエレメントのうち1つを最初に交換したとき 10グリッド降格
・残りのエレメントのうち1つを交換した場合につき 5グリッド降格
 ただし、15グリッドを超えるペナルティーを科された場合は一律最後尾に退く。グリッド ペナルティーの対象が2人以上のときは、ペナルティーを科された順に最後尾に着く。
 グリッドペナルティーの対象となるエレメントの交換を一回のイベントで複数回行った場合、その後のイベントでペナルティーを科されることなく使用できるのは、最後に交換したエレメントのみ。